イチイは寒い地方や山地に自生し、庭木や生け垣として植えられる常緑樹です。昔、この木で儀式に使う板「(しゃく)」を作り、正一位という位にちなんでイチイと名付けられたと伝えられています。秋に赤い実をつけますが、赤い果肉以外の部分、とくに種子には強い毒があります。

姿・形

姿
常緑の針葉樹で、高さ10~18mほどの木になります。材はかたく、美しい赤褐色をしています。
葉
葉は濃い緑色の細い線形で、枝の左右に羽のように並びます。先はとがりますが、さわってもあまり痛くありません。
花の時期
3~4月
実
秋に赤いが熟し、その中に種子が1つ入っています。赤い果肉は甘いことで知られていますが、中の種子には強い毒があります。

間違えやすい生き物

イヌガヤCephalotaxus harringtonia

イチイの葉裏には黄緑色の線が2本見えます。イヌガヤでは白い線が2本見えます。

間違えやすい理由どちらも平たい葉が枝の左右に並びます。

カヤTorreya nucifera

イチイの葉先はとがっていても、さわるとあまり痛くありません。カヤの葉先は硬く、指に刺さるように感じます。

すむ場所

よく見られる場所
  • 山地
  • 庭・公園
  • 生け垣
分布
北海道から九州まで分布しています。北海道では低い土地にも自然に生えますが、四国や九州では山岳地帯に限られます。日本のほか、朝鮮半島、中国東北部、ロシア極東にも分布しています。
好む環境
寒い地方や山地に多い木です。庭木や生け垣としても広く植えられています。
花の時期

3〜4月に咲きます

花 3〜4月

注意すること

注意すること
葉や種子など、植物のほぼ全体にタキシンという有毒成分が含まれています。種子を飲み込むと、けいれんや呼吸困難を起こすことがあります。

名前と分類

名前について
北海道や東北ではオンコ、ほかにアララギとも呼ばれます。低く広がるキャラボクは Taxus cuspidata var. nana として別に扱われます。

保全状況

IUCNレッドリスト
LC低懸念絶滅のおそれは低いです

文化と話題

文化と話題
  • 岐阜県の県の木で、飛騨地方ではイチイの材を使った「一位一刀彫」が知られています。
  • かたく粘りのある材は、昔から弓の材料や細工物に使われてきました。
イチイ(Taxus cuspidata)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo