バラ属には庭の八重咲きのバラだけでなく、野山のノイバラや海岸のハマナスも含まれます。小さな葉が羽のように並ぶ様子、茎の刺、花後にできるバラの実を合わせて見ると、バラ属を見分けやすくなります。

このグループの生き物

ノイバラRosa multiflora

初夏に小さな白い花を大きな房に付けます。葉柄の基部にあるが櫛の歯のように細かく裂けます。

ハマナスRosa rugosa

北日本の海岸砂地で見られ、葉の深いしわと密な刺が目立ちます。大きな桃色の花の後に扁平な赤い実ができます。

テリハノイバラRosa lucieae

本州から琉球まで分布し、茎が地面をはうように伸びます。厚く光沢のある葉と白い花が目立ちます。

モッコウバラRosa banksiae

中国原産で、日本では庭にも植えられます。春に小さな白や淡黄色の八重咲きの花を付け、枝にはほとんど刺がありません。

姿・形

育つ姿
落葉低木が多く、地下茎や長く曲がる枝で群落を作る種もあります。
花
野生種では白や桃色の一重咲きがよく見られます。園芸バラは複数の野生種を交配して作られ、色、香り、花びらの数、開花の仕方が多様です。
実
多くの種では花後に赤や橙色のバラの実ができます。肉質になったの内側に、複数のが入っています。
見分けるポイント
茎は直立したり、横に広がったり、ほかの植物に寄り掛かって伸びたりします。葉は多くの場合、鋸歯のある小葉が羽のように並び、野生種の花は5枚の花びらを持つものが多いです。

間違えやすい生き物

キイチゴ属Rubus

バラ属は花後にできるつぼ状の実の内側に小さな痩果が入ります。キイチゴ属では、果実の小さな粒が外側に集まって見えます。

間違えやすい理由どちらも刺のある枝、鋸歯のある複葉、5枚の花びらを持つことがあります。

すむ場所

よく見られる場所
  • 林縁・やぶ
  • 海岸砂地
  • 庭園・公園
分布
バラ属は北半球の温帯から亜熱帯に広く分布します。日本にはノイバラ、ハマナス、テリハノイバラなどの野生種があり、多数の園芸雑種も栽培されています。
好む環境
野生種は海岸の砂地から山地の林縁まで異なる環境に生えます。園芸バラは一般に日当たりと水はけのよい土で花付きがよくなりますが、品種差があります。

育て方

増やし方
種子、挿し木、取り木で増えます。園芸品種では性質を保つため、接ぎ木や芽接ぎも使われます。
毒性
茎の刺で皮膚や目を傷つけることがあります。バラの実に似ているという理由だけで、野生の果実を食べられるとは判断しないでください。

名前と分類

名前について
テリハノイバラは以前 Rosa wichuraiana とも呼ばれました。
グループの名前
日常語の「バラ」は属全体を指すことも、庭園の園芸バラを指すこともあります。
品種といろいろな姿
現代の園芸バラは、複数の野生種を長く交配して作られた雑種が中心です。一重・半八重・八重、木立性・つる性、一季咲き・返り咲きなどがあります。

文化と話題

文化と話題
  • 日本のノイバラ、テリハノイバラ、ハマナスなどは、園芸バラの育種に利用された野生種です。
バラ属(Rosa)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo