ナデシコ属は、野のカワラナデシコや花束のカーネーションを含む草の仲間です。多くは細い葉が向かい合って付き、5枚の花びらの縁がぎざぎざや糸状に切れ込み、筒形の(花びらの外側を包む部分)の下を小さな葉のような部分が包みます。園芸ではダイアンサスとも呼ばれます。

このグループの生き物

カワラナデシコDianthus longicalyx

本州から九州の明るくやや乾いた河原や草原で見られ、花弁が細く深く裂けます。

エゾカワラナデシコ(広義)Dianthus superbus

北海道や本州中部以北で見られ、淡い紅紫色の花弁が深く糸状に裂けます。

ハマナデシコDianthus japonicus

本州から琉球の海岸に生え、厚く光沢のある葉と密な花の集まりが目立ちます。

セキチクDianthus chinensis

古くから栽培される種類で、花弁の縁は歯状に切れ込み、園芸品種は色が豊富です。

アメリカナデシコDianthus barbatus

小花が茎先に平たい房となって密集し、花壇や切り花で見られます。

オランダセキチクDianthus caryophyllus

カーネーションとして栽培され、八重咲きや多彩な花色の品種が多いです。

姿・形

育つ姿
一年草、越年草、があり、株元がやや木質になる種もあります。
花
紅色から淡い桃色が多く、栽培品種には白や複色、八重咲きもあります。花弁の縁は浅い歯状から細い糸状まで変化します。
実
花後には乾いたができ、熟すと先が裂けて扁平な黒い種子を出します。
見分けるポイント
葉はふつう細長く、茎に向かい合って付きます。筒形の萼の付け根を数枚のが重なって包むことと、5枚の花弁の切れ込みが手がかりです。

間違えやすい生き物

マンテマ属Silene

どちらも対生する葉と5枚の花弁を持つため似ます。ナデシコ属では筒形の萼のすぐ下を小さな苞が何枚も重なって包む点を確認します。

間違えやすい理由同じナデシコ科で、桃色の花と細い葉を持つ種類が多いです。

すむ場所

よく見られる場所
  • 日当たりのよい草原
  • 河原
  • 海岸
  • 花壇・庭
分布
日本にはカワラナデシコ、エゾカワラナデシコ、ハマナデシコなどが自生します。セキチク、アメリカナデシコ、オランダセキチクなどは主に栽培で見られます。
好む環境
種によって違いますが、日当たりと水はけのよい場所を好むものが多いです。ハマナデシコのように暖かな海岸に適応した種もあります。

繁殖と一生

増え方
野生では主に種子で増え、園芸では株分けや挿し木を行う種類もあります。

育て方

育て方
カーネーション、セキチク、アメリカナデシコなどは園芸で広く育てられます。交雑した園芸品種も多いため、花だけの写真では種まで識別しにくいことがあります。

名前と分類

グループの名前
「ナデシコ」は属全体を指すこともありますが、特にカワラナデシコ(Dianthus longicalyx)を指すこともあります。オランダセキチクはカーネーションの和名です。
含まれる種の数
世界で約355種が知られています。

文化と話題

文化と話題
  • カワラナデシコは秋の七草の一つとして親しまれ、古くから和歌にも詠まれてきました。
  • 「撫でし子」と音が通じるため、子どもや女性を表す言葉と結び付いてきました。
ナデシコ属(Dianthus)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo