スミレ属は背の低い草が多く、日本では道端や草地、林の地面、山地で見られます。種類を見分けるには、花の色だけでなく、花の後ろにある蜜をためる突起や葉の形、横の花びらの毛、地上に伸びる茎の有無を確かめます。

このグループの生き物

スミレViola mandshurica

北海道から九州まで見られ、濃い紫色の花と、翼のように広がる葉の柄が目印です。

ノジスミレViola philippica

本州・四国・九州の明るい場所に生え、葉や花の柄に短い毛が多く、横の花弁にはふつう毛がありません。

アカネスミレViola phalacrocarpa

日本各地の明るい丘陵地に生え、葉や花柄の短い毛と紅紫色の花が目印です。

アメリカスミレサイシンViola sororia

北アメリカ原産で、日本では栽培地から外へ広がって定着しています。大きなハート形の葉が株状に広がります。

ニオイスミレViola odorata

ヨーロッパ原産の栽培種で、香りのある花が特徴です。日本では定着した記録もあります。

サンシキスミレViola tricolor

三色の花を観賞用に育てることが多く、栽培地の外で定着した記録もあります。

姿・形

育つ姿
背の低い草が多く、何年も育つ種類が中心です。地面の下を伸びる茎やで広がる種もあります。
花
紫、白、黄、複数の色が混じる花があります。花弁の筋や毛、の形は、近い種を分けるときに役立ちます。
花の時期
種としてのスミレは日本で3月下旬~6月に咲きます。ほかの種は場所や標高によって時期が変わります。
実
果実は熟すと三つに裂けるです。
見分けるポイント
花弁は5枚で左右対称になり、下の花弁の後ろに蜜をためる距があります。葉の形、横の花弁の毛、地上に伸びる茎の有無も大切な手掛かりです。

間違えやすい生き物

カタバミ属Oxalis

スミレ属は葉が小葉に分かれず、花は左右対称で後ろに距があります。カタバミ属はハート形の小葉3枚からなる葉が多く、花に距がありません。

間違えやすい理由背が低く、五枚の花弁を付ける種類があります。

すむ場所

よく見られる場所
  • 道端
  • 草地
  • 林床
  • 山地
分布
スミレ属は北海道から九州まで多くの環境に分布します。アメリカスミレサイシンやニオイスミレなど、国外から入り定着した種もあります。
好む環境
日当たりのよい道端を好む種、湿った林床を好む種、高山に生える種がいます。花だけでなく、生育場所も記録すると識別の助けになります。

繁殖と一生

増え方
目立つ春の花とは別に、開かないままするを作る種があります。
種の広がり方
熟した果実は種子をはじき飛ばし、種子をアリが運ぶ種もあります。

名前と分類

名前について
ノジスミレ(Viola philippica)は、以前Viola yedoensisとも呼ばれました。
グループの名前
スミレ属は分類上の名前です。日常の「すみれ」は仲間全体を指しますが、「スミレ」(Viola mandshurica)は一種の和名でもあります。
含まれる種の数
日本には56種、世界には400種あまりとされます。種数は分類のしかたによって変わります。

保全状況

保全状況
アカネスミレは京都府の2015年レッドデータブックで絶滅危惧種とされています。

文化と話題

文化と話題
  • 松尾芭蕉の句にもすみれが登場し、春の野の花として古くから親しまれています。
スミレ属(Viola)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo