イトトンボ亜目は、左右の大きな目が離れ、細い体をもつトンボの仲間です。小さなアジアイトトンボから黒い翅でひらひら飛ぶハグロトンボまで、姿は意外に多彩です。

このグループの生き物

ハグロトンボAtrocalopteryx atrata

川辺で見られ、雄は体と4枚の翅が黒く見えます。幅広い翅でひらひら飛びます。

アオハダトンボCalopteryx japonica

流れのある水辺に暮らします。雄の幅広く青みのある翅と金属光沢のある体を一緒に見ます。

アジアイトトンボIschnura asiatica

池や湿地の低い草の間で見られる小型種です。腹端の青い模様を横から撮ると手掛かりになります。

ベニイトトンボCeriagrion nipponicum

水草の多い湿地に暮らし、成熟した雄は赤みのある細い腹部が目立ちます。環境省レッドリスト2020では準絶滅危惧です。

ホソミイトトンボAciagrion migratum

成虫のまま冬を越します。雄は春に近づくと茶色から青色へ変わります。

チョウセングンバイトンボPlatycnemis phyllopoda

日本では限られた地域だけに生息する保護種です。雄の中脚と後脚には白く広がった部分が見えます。

姿・形

姿
青や緑の細い種だけでなく、赤い種や幅広い黒い翅をもつ種もいます。したばかりの成虫は淡い色で、成熟につれて色が変わる種が多いです。
見分けるポイント
体は細く、は頭の左右に離れています。前翅と後翅は似た形で、多くは止まると翅を腹の上にそろえますが、カワトンボ類のような例外もあります。

間違えやすい生き物

トンボ亜目Anisoptera

イトトンボ亜目はふつう体が細く、前後の翅の形が似ています。トンボ亜目は後翅の付け根がより広いです。止まるときの翅の開き方はイトトンボ亜目の中でも異なります。

間違えやすい理由どちらもトンボ目で、水辺を4枚の翅で飛びます。

すむ場所

よく見られる場所
  • 池・湿地
  • 川・小川
  • 水辺の草むら
分布
日本では池や湿地にアジアイトトンボやベニイトトンボが、流れのある水辺にハグロトンボやアオハダトンボが見られます。亜目全体は世界の淡水環境に広く分布します。
好む環境
は水中で育つため、繁殖には池や湿地、川などの淡水が必要です。卵は水中や水辺の植物などに産み、成虫は周囲の草むらでも見られます。

暮らし

食べ物
成虫も幼虫も小さな動物を捕らえます。成虫は小さな飛ぶ昆虫を食べ、水中の幼虫は小さな水生動物を食べます。
活動
暖かく晴れた日は、水面近くを低く飛んだり草の茎に止まったりします。
冬越し
越冬する段階や一世代にかかる期間は、種と地域によって異なります。

繁殖と一生

増え方
雌は水中や水辺の植物組織などに卵を産みます。幼虫は水中で脱皮を重ね、植物や石に上がって羽化します。

名前と分類

グループの名前
正式名の「イトトンボ亜目」はトンボ目のZygopteraを指します。日常の「イトトンボ」から細いイトトンボ科だけを想像しやすいですが、幅広い翅のカワトンボ類も含みます。
含まれる種の数
世界で3,000種を超える大きなグループです。

保全状況

保全状況
アオハダトンボは環境省レッドリスト2020で準絶滅危惧(NT)です。チョウセングンバイトンボは国内希少野生動植物種です。
イトトンボ亜目(Zygoptera)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo