ノシメトンボは翅の先が褐色に縁取られた、アカネ属(赤とんぼの仲間)で最大級のトンボです。成熟してもからだ全体は赤くならず、「赤くならない赤とんぼ」とも言われます。北海道から九州の、林に囲まれた池や水田でよく見られます。

姿・形

姿
体長37~52mmで、西日本のものほど大きくなる傾向があります。若い個体は雌雄とも黄褐色で、成熟すると雄の腹の背中側は暗い赤色、雌は橙色が濃くなる程度です。翅の先の褐色の斑は個体差が大きく、寒い地方ではほとんど消えている個体もいます。

間違えやすい生き物

コノシメトンボSympetrum baccha

コノシメトンボは成熟すると顔・胸・腹まで濃い赤になり、ノシメトンボは腹に暗い赤がさす程度です。最も確実なのは胸の横の黒い筋で、ノシメトンボは前から2本目の筋が上の端まで届き、ほかの2本より立っています。

間違えやすい理由どちらも翅の先が褐色で、名前もよく似ています。翅先の斑の濃さは個体差があり、決め手になりません。

リスアカネSympetrum risi

ノシメトンボより小さく、成熟すると腹だけが橙赤色になります。胸の横の黒い筋の形でも見分けられます。

間違えやすい理由翅の先に褐色の斑があり、ノシメトンボに近い仲間です。

ミヤマアカネSympetrum pedemontanum

ミヤマアカネの褐色の帯は翅の先ではなく、の近くから付け根側にあります。丘陵地や低い山の水田や、ゆるやかな小さな流れのある場所に多いです。

間違えやすい理由どちらも翅に褐色の模様があるアカネ属です。

翅の先が褐色のアカネ3種
大きさ成熟したときの色
ノシメトンボ最も大きい腹に暗い赤がさす程度
コノシメトンボ中くらい顔・胸・腹まで濃い赤
リスアカネ最も小さい腹だけ橙赤色

すむ場所

よく見られる場所
  • 水田
  • 池沼
  • 林のふち
分布
北海道から九州、周りの島々に分布します。国外では朝鮮半島・中国・台湾にもすんでいます。
好む環境
平地から低い山地の、まわりに林があるやや開けた池や水田に多いです。
見られる時期

日本の場合

活動 6〜11月

暮らし

活動
6月下旬ごろに羽化し、11月下旬ごろまで見られます。羽化したあとは近くの林や林のふちに移って成熟し、アキアカネのように高い山へ集団で移動することはありません。
冬越し
秋に産まれた卵のまま冬を越し、翌春、産卵場所が水につかると孵化して幼虫になります。

繁殖と一生

増え方
雌雄がつながったまま、水のない池のほとりの草地や水田の稲穂の上をゆるやかに上下に飛び、卵を振り落とします。水のある場所には産卵しません。

保全状況

IUCNレッドリスト
LC低懸念絶滅のおそれは低いです

文化と話題

文化と話題
  • 和名の「ノシメ」は、成虫の腹の黒い斑紋を着物の熨斗目(のしめ)模様に見立てたものです。

ほかの生き物も見てみる

出会った生き物を記録して、集めていこう

写真を残すと日付や場所と一緒に整理され、地域のアルバムを一種ずつ埋めていけます。

ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo