ミヤマアカネは、翅の先近くに太い褐色の帯が入る赤トンボです。名前は「深山」ですが、実際には丘陵地から低山の、ゆるやかに流れる小川や田んぼの用水路でよく見られます。日本では北海道から九州まで、各地に分布しています。

姿・形

姿
体長30~41mmほどの赤トンボです。のすぐ内側に太い褐色の帯があり、翅脈もその部分は褐色になります。胸の側面にはほとんど模様がありません。帯の幅には個体差があり、北海道など寒い地域のものは細めになる傾向があります。
季節による姿
未熟なうちは雌雄とも黄褐色です。成熟したオスは翅脈や縁紋まで含めて全身が赤くなり、メスは濃い橙色になります。メスの縁紋はふつう赤くなりませんが、赤くなる個体もいます。

間違えやすい生き物

ノシメトンボSympetrum infuscatum

ノシメトンボは翅のいちばん先が褐色に縁取られます。ミヤマアカネは翅の先より少し内側、縁紋の手前を太い帯が横切ります。

間違えやすい理由どちらも翅に褐色の模様があるアカネ類だからです。

コフキトンボDeielia phaon

コフキトンボの帯は黒色です。ミヤマアカネの帯は褐色で、帯の部分の翅脈まで褐色になり、成熟すると体が赤くなります。

間違えやすい理由コフキトンボのメスの一部(オビトンボ型)は翅に帯状の模様をもつからです。

すむ場所

よく見られる場所
  • 小川
  • 水田の用水路
  • 丘陵地~低山
分布
北海道から九州まで、日本各地に分布しています。
好む環境
ほかの多くのアカネ類と違い、浅くゆるやかな流れを好みます。池や沼のまわりではあまり見られません。
見られる時期

日本の場合

活動 7〜11月

暮らし

活動
7月上旬ごろから羽化し、11月ごろまで見られます。羽化後はススキやヨシなど背の高い草むらに移って成熟するまで過ごします。飛び方はあまり活発ではなく、成熟したオスはやや警戒心が強いです。
群れの暮らし
ふつう雌雄がつながったまま浅い流れの上を飛び、水面や泥を腹の先でたたくように産卵します。植物に止まって交尾の姿勢でいることもよくあります。メスが単独で産卵し、オスが空中で見張ることもあります。
冬越し
卵で冬を越し、翌春にふ化します。

繁殖と一生

幼虫
は体長13~17mmほどです。マユタテアカネのヤゴに似ていますが、腹の側面のとげが短く太いことで区別できます。流れが速い所や深い所は産卵に向きません。

名前と分類

名前について
日本のものは S. p. elatum とされています。ヨーロッパから中国東北部にいる基準の亜種 S. p. pedemontanum は、やや小さく翅の帯も細めです。ヤグルマトンボ、カザグルマトンボという俗称もあります。

保全状況

IUCNレッドリスト
LC低懸念絶滅のおそれは低いです
現状
日本では1970年代から急に数が減っています。止水から流れのある水辺までがつながった、里山の昔ながらの水辺が失われたことが原因と考えられています。

ほかの生き物も見てみる

出会った生き物を記録して、集めていこう

写真を残すと日付や場所と一緒に整理され、地域のアルバムを一種ずつ埋めていけます。

ミヤマアカネ(Sympetrum pedemontanum)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo