アヤメ属は、アヤメやカキツバタ、ハナショウブなど、日本の草地や水辺、庭園で見られる草花の仲間です。外側の3枚が横や下へ広がり、内側の3枚が立つ花が多いですが、生える場所と花の模様は種ごとに違います。アイリスとも呼ばれます。

このグループの生き物

アヤメIris sanguinea

北海道から九州のやや乾いた草原に生え、5月ごろに紫の花を咲かせます。の網目模様が目印です。

カキツバタIris laevigata

湿地や浅い水辺に生えます。紫の外花被片に白い筋が見えます。

ハナショウブIris ensata

ノハナショウブから作られた園芸系統がよく栽培されます。外花被片の基部に黄色い模様が見えます。

キショウブIris pseudacorus

初夏に黄色い花を咲かせる外来の水辺植物です。ほぼ全国に広がり、丈夫なで群落を作ります。

ヒオウギIris domestica

扇状の葉と、橙色の地に赤い斑点がある花が目印です。以前はBelamcanda chinensisという学名が広く使われました。

エヒメアヤメIris rossii

背が低く、春に淡い紫色の花を一つずつ咲かせます。アヤメより小さな姿が目立ちます。

姿・形

育つ姿
多くはで、地下茎や球根から毎年芽を出します。
花
アヤメは外花被片の網目模様、カキツバタは白い筋、ノハナショウブは黄色い模様が見分ける手掛かりです。
実
花の後には乾いたができ、中に種子が入ります。
見分けるポイント
平たく剣のような葉が扇状に集まり、外側の3枚と内側の3枚で形や向きが違う花が多いです。花びらのように見える幅広いめしべの枝も目印です。

間違えやすい生き物

ショウブ属Acorus

ショウブ属は葉がアヤメに似ていますが、小さな花が緑がかった棒状の穂に集まります。アヤメ属は大きく目立つ花を咲かせます。

間違えやすい理由水辺に生え、葉と名前が似ています。

すむ場所

よく見られる場所
  • 湿地・水辺
  • 草原・山地
  • 庭園
分布
アヤメ属は北半球に広く分布します。日本にはアヤメ、カキツバタ、ノハナショウブなどが自生し、園芸品種や外来のキショウブも見られます。
好む環境
必要な水分は種によって違います。カキツバタやキショウブは水辺を好みますが、アヤメはやや乾いた草原にも生えます。

育て方

増やし方
種子で増え、地下茎が分かれて株を広げる種も多いです。

名前と分類

名前について
ノハナショウブは Iris ensata var. spontanea とも呼ばれました。
グループの名前
「アヤメ属」はIris全体の分類名です。日常語の「アヤメ」は仲間を広く指すこともありますが、アヤメ(Iris sanguinea)という一種の和名でもあります。
品種といろいろな姿
園芸ではジャーマンアイリス、ハナショウブなど多様な系統と品種が育てられています。栽培株は一つの野生種だけでは説明しにくいことがあります。

保全状況

保全状況
キショウブは日本のほぼ全国に広がり、在来植物との競合や在来のアヤメ属との交雑が心配されています。エヒメアヤメは環境省の2025年レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)です。

文化と話題

文化と話題
  • 「いずれがアヤメかカキツバタ」は、どちらも美しく優劣をつけにくいことを表す言い回しです。
アヤメ属(Iris)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo