カブトムシ亜科は、厚みのある丸い体を持つ甲虫の仲間です。大きな角を持つ雄が有名ですが、雌や小型種では角が目立たないことがあります。日本で身近なカブトムシは夏の夜に樹液や明かりに集まり、成虫でいる期間より、地中の幼虫として過ごす期間が長いです。

このグループの生き物

カブトムシTrypoxylus dichotomus

本州、四国、九州などの雑木林で6~8月に見られます。雄は先端が分かれた長い頭角を持ち、雌には大きな角がありません。

コカブトムシEophileurus chinensis

小型で黒く、雌雄とも頭部に短い突起があります。大きな角を持たないため、形だけを見るとカブトムシの仲間に見えにくい種です。

サイカブトOryctes rhinoceros

東南アジア原産で、トカラ列島から南西諸島などに定着した外来種です。雄の頭に一本の角があり、ヤシ類への食害が問題になります。

姿・形

姿
硬いが後翅を覆い、脚は太くて棘があります。同じ種でも雄と雌の角や体形が大きく異なるがよく見られます。
見分けるポイント
厚みのある丸いコガネムシ型で、触角の先が板を重ねた扇のように開きます。頭部や前胸に角を持つ雄が有名ですが、雌や小型の雄、種類によっては角が目立ちません。

間違えやすい生き物

クワガタムシ科Lucanidae

クワガタムシの雄で大きく見える部分は、口から前方へ伸びて開閉する大あごです。角のあるカブトムシ類の雄では頭や前胸から角が伸びます。角のない個体はこの違いだけでは分けにくいです。

間違えやすい理由どちらも大きく硬い体を持つ甲虫です。

すむ場所

よく見られる場所
  • 雑木林・広葉樹林
  • 朽ち木・腐葉土
  • 公園・里山
分布
カブトムシ亜科は世界に広く分布し、熱帯で特に多様です。日本ではカブトムシとコカブトムシが本土で見られ、南西諸島には別の在来種や外来種もいます。
好む環境
多くの種の幼虫は朽ち木、腐葉土、堆肥など有機物の多い場所で育ちます。生きた根やヤシ類の組織を食べる種もいます。

暮らし

食べ物
幼虫は種によって朽ち木、腐った植物などの有機物、または植物の根を食べます。成虫は樹液や熟した果実を食べる種がいますが、あまり食べない種もいます。
活動
多くの成虫は夜行性で灯火に飛来します。大きな角がありますが、人を刺したり毒を注入したりする昆虫ではありません。
冬越し
日本のカブトムシは主に幼虫で越冬し、初夏に土中へを作って成虫になります。

繁殖と一生

増え方
雌は朽ち木、腐葉土、土など、種に合う幼虫の餌場へ産卵します。
幼虫
幼虫は白く、C字形に曲がった大きな甲虫の幼虫です。何度か脱皮し、餌の中や土中で育ちます。

名前と分類

名前について
カブトムシ(Trypoxylus dichotomus)は、以前はAllomyrina dichotomaとも呼ばれていました。日本本土のカブトムシをT. d. septentrionalisというとして分ける見方もあります。
グループの名前
カブトムシ亜科はDynastinae全体を指します。日常語の「カブトムシ」は、日本では多くの場合、一種のTrypoxylus dichotomusを指します。
含まれる種の数
世界で約2,000種が知られています。

保全状況

保全状況
ヒサマツサイカブト(Oryctes hisamatsui)は国内希少野生動植物種に指定され、2020年の日本のレッドリストではです。
脅威
朽ち木や腐葉土を使う種は、それらが減ると育つ場所も減ります。外国産の飼育個体が野外へ出ると、在来の昆虫や植物に影響するおそれがあります。

文化と話題

文化と話題
  • カブトムシは日本で子どもの昆虫採集や飼育の代表的な存在です。
  • 外国産の飼育個体は野外へ放さず、最後まで責任を持って飼うことが求められます。
カブトムシ亜科(Dynastinae)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo