いま「クンシラン」として売られている株のほとんどは、このウケザキクンシランです。名前に「ラン」とついていますがランではなく、南アフリカ原産のヒガンバナ科の多年草です。日本には明治末年に入り、春に厚い葉の間から花茎をのばして、上向きに開く橙色の花をまとめて咲かせます。

姿・形

育つ姿
茎はなく、地下の太いから葉が左右2列に重なって出ます。
葉
濃い緑色で革質の帯のような葉で、長さ40〜60cmほどあり、一年中緑を保ちます。
花
高さ40〜50cmの太い花茎の先に、ユリに似た漏斗形の花が10〜30個ほど傘のように集まって咲きます。花は上向きに大きく開き、橙紅色で筒の部分は淡い黄色です。
花の時期
日本ではおもに春(2〜5月ごろ)に咲きます。
実
花のあとによく実をつけ、丸い実が赤く熟します。

間違えやすい生き物

クンシランClivia nobilis

クンシランは細い筒形の花が下向きに垂れて咲き、花びらは大きく開きません。ウケザキクンシランは花が上向きに大きく開き、1輪が大きめです。

間違えやすい理由同じ属で葉の姿や花の色が似ていて、名前も同じ「クンシラン」で呼ばれます。

キツネノカミソリLycoris sanguinea

キツネノカミソリは8月中旬ごろ、葉が枯れたあとに花茎だけをのばして咲きます。ウケザキクンシランは花のときも厚い帯状の葉がそろっています。

間違えやすい理由どちらもヒガンバナ科で、花茎の先に橙色の花をまとめて咲かせます。

すむ場所

よく見られる場所
  • 鉢植え
  • 温室
分布
原産地は南アフリカ共和国東部とエスワティニの森林です。日本では鉢物として育てられ、野生では見られません。
好む環境
原産地では森の木漏れ日のあたる、腐植の多い水はけのよい土に大きな群れをつくって生えます。
花の時期

2〜5月に咲きます

花 2〜5月

育て方

育て方
直射日光を避けた半日陰に置き、水はけと通気性のよい用土で鉢植えにします。花芽ができるには5〜10℃ほどの低温に2か月ほど当たる必要があり、霜には当てないようにします。植え替えや株分けは春から初夏(4〜6月ごろ)に行います。
増やし方
株分けか種まきでふやします。種から育てると花が咲くまで4〜6年かかります。
毒性
という有毒成分を含む有毒植物です。根茎の毒性が特に強いとされます。

名前と分類

名前について
和名「クンシラン」は、もともと花が垂れ下がって咲く Clivia nobilis につけられた名前です。上向きに咲く本種は「受け咲き」のクンシランとしてウケザキクンシランと呼ばれ、オオバナクンシランという別名もあります。いまは本種のほうが一般に「クンシラン」として流通しています。
品種といろいろな姿
葉が短く詰まって育つ「ダルマ」系は日本で改良され、珍重されます。ほかにヨーロッパで改良された大輪で花つきのよいドイツ系、斑入り葉のものなどがあります。

保全状況

IUCNレッドリスト
NE未評価まだ評価されていません
現状
南アフリカ共和国の国のレッドリストでは危急種とされています。薬用採取や生息地の減少で、野生の株はこの90年で少なくとも4割減ったと推定されています。
脅威
原産地では薬用や園芸用の採取、森林の開発によって野生の株が減っています。

文化と話題

文化と話題
  • 「君子蘭」の名は、本来の C. nobilis の種小名 nobilis が「高貴な」という意味であることにちなみます。花言葉も「高貴」「誠実」などです。
  • 属名 Clivia は、イギリスで初めてこの植物を育てて咲かせたノーサンバーランド公爵夫人シャーロット・クライヴにちなみます。

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ウケザキクンシラン(Clivia miniata)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo