セミ科は、日本の林や公園で夏に多く見られるセミの仲間です。雄が雌を呼ぶために鳴き、鳴き声や羽の透明さ、体の模様が種類を見分ける手掛かりになります。幼虫は長い時間を土の中で過ごし、木や壁を登って脱皮し、成虫になります。

このグループの生き物

スジアカクマゼミCryptotympana atrata

日本では定着初期の外来種として記録されている大きな黒いセミです。身近なクマゼミとは別の種なので、翅や腹部が分かる写真を残すと比べやすいです。

アブラゼミGraptopsaltria nigrofuscata

市街地から林まで広く見られ、7~9月ごろに鳴きます。油を塗ったような褐色の翅が、透明な翅のミンミンゼミとの分かりやすい違いです。

ミンミンゼミHyalessa maculaticollis

北海道南部から九州に分布し、7~8月ごろに見られます。緑と黒の体、透明な翅、「ミーン」と始まる声が目印です。

ニイニイゼミPlanopleura kaempferi

6~9月ごろに見られる小型種です。複雑な体の模様、褐色の翅、泥の付いた小さな抜け殻が手掛かりです。

クマゼミCryptotympana facialis

黒く大きな体と透明な翅を持ち、朝に大きく鳴きます。西日本で身近ですが、関東でも記録されています。

姿・形

姿
成虫は太めの体で、翅は体より長いことが多いです。透明な翅を持つ種のほか、アブラゼミやニイニイゼミのように翅に濃い模様がある種もいます。
見分けるポイント
頭部が幅広く、左右に大きながあり、短い触角と薄く透ける二対の翅を持ちます。雄は腹部のを素早く振動させ、種ごとに違う声を出します。

間違えやすい生き物

ヨコバイ科Cicadellidae

ヨコバイ類はふつうずっと小さく、くさび形の体で、触れると跳びます。セミ科は頭部が幅広く、大きな複眼と長くて薄く透ける翅が目立ちます。

間違えやすい理由どちらも植物の汁を吸う翅のある昆虫です。

すむ場所

よく見られる場所
  • 森林・雑木林
  • 都市公園
  • 庭や街路樹
分布
セミ科は南極を除く世界各地に分布し、熱帯で特に多様です。日本では平地の市街地から山地まで、環境によって異なる種が見られます。
好む環境
幼虫は生きた木の根に近い土中で暮らし、成虫は幹や枝を利用します。好む木、温度、湿度は種によって異なります。

暮らし

食べ物
幼虫は土中で根のを吸い、成虫も木の汁を吸います。
活動
日本では多くの成虫が夏に現れますが、鳴く月や時間帯は種によって違います。
冬越し
多くの種は生活の大半を土中の幼虫として過ごし、冬もその状態で越します。

繁殖と一生

増え方
雌はで細い枝に切れ目を作り、その中へ卵を産みます。ふ化した幼虫は地面へ落ちて土中に入ります。
幼虫
幼虫は根の近くで数年を過ごす種が多いです。成熟すると地上へ出て木や壁を登り、脱皮して成虫になります。

名前と分類

名前について
ニイニイゼミはPlatypleura kaempferi、イシガキニイニイはPlatypleura albivannataとも呼ばれていました。
グループの名前
オーストラリアだけに、セミ科とは別の科に属するムカシゼミ類が残っています。
含まれる種の数
2025年の研究では、世界に3,000種を超える現生種が知られています。日本には市街地で身近な種から島だけに分布する種までいます。

保全状況

保全状況
イシガキニイニイは種の保存法に基づく国内希少野生動植物種です。
脅威
大阪府の調査では、都市の土が固くなるにつれてセミの種類の偏りが大きくなりました。種によって影響の受け方は違います。
セミ科(Cicadidae)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo