ハシドイ属には、香り高いライラックだけでなく、白い花をつける小高木のハシドイや小型のコバノハシドイも含まれます。向かい合う葉と、先が四つに分かれた小さな花がまとまって咲く姿が、この仲間を見分ける手掛かりです。

このグループの生き物

ムラサキハシドイSyringa vulgaris

ライラックの名で庭園に植えられ、春に香りのある淡紫色や白色の花をつけます。

ハシドイSyringa reticulata

日本に自生する小高木で、初夏に枝先へ大きな白い花序をつけます。

コバノハシドイSyringa meyeri

小さめの葉とまとまった樹形をもち、園芸では小型のライラックとして栽培されます。

姿・形

育つ姿
多くはですが、ハシドイのように幹が太くなって小高木になる種もあります。
葉
ムラサキハシドイは幅広いハート形の葉が目立ちます。属内には丸い葉や細めの葉をもつ種もあります。
花
ムラサキハシドイは春に咲き、ハシドイはそれより遅い初夏に白い花をつけます。開花期は地域や品種によって前後します。
実
花の後には細長い乾いたができ、熟すと二つに裂けて翼のある種子を出します。
見分けるポイント
葉は枝にし、枝先に小さな花が大きなとなって集まります。花冠の先は四つに裂け、多くの種には香りがあります。

間違えやすい生き物

イボタノキ属Ligustrum

花後、ハシドイ属には熟すと裂ける乾いた実がつきます。身近なイボタノキ属には、黒っぽく熟す肉質の実がつきます。

間違えやすい理由どちらも葉が対生し、小さな白い花がまとまって咲く種があります。

すむ場所

よく見られる場所
  • 山地の林縁
  • 岩の多い斜面
  • 庭園・公園
分布
この属はヨーロッパ南東部からヒマラヤ、東アジアまで自然分布します。日本にはハシドイが自生し、ムラサキハシドイなど多くの園芸系統も栽培されています。
好む環境
園芸のライラック類は、日当たりと水はけのよい場所で花つきがよくなるものが多いです。暑さへの強さや必要な冬の寒さは種と品種によって違います。

育て方

育て方
紫・桃・白色の花や、一重・八重の園芸品種があります。日当たりと風通しを確保し、花後に必要な剪定をします。
増やし方
野生種は種子で増え、園芸品種は挿し木や接ぎ木、根元から出る枝などで特徴を保ちます。

名前と分類

名前について
コバノハシドイ(Syringa meyeri)は、Syringa pubescens subsp. pubescensに含められることもあります。
グループの名前
「ハシドイ属」はSyringa全体を指す名前です。日常の「ライラック」は主にムラサキハシドイと園芸交雑種を指し、ハシドイ属すべてと完全に同じ範囲ではありません。
含まれる種の数
2026年現在、ハシドイ属には世界で13種が認められています。
品種といろいろな姿
ライラックには花色、香り、花形、樹高が異なる多数の園芸品種と交雑系統があります。庭の株は写真一枚だけでは野生種まで絞れないことがあります。

文化と話題

文化と話題
  • ムラサキハシドイは明治時代の中頃に日本へ渡来し、北海道を代表する園芸花木の一つになりました。
ハシドイ属(Syringa)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo