ケラは、モグラの前足そっくりの太い前脚で湿った土の中に穴を掘って暮らす昆虫です。初夏の夜に土の中から聞こえる鳴き声は、昔から「ミミズの鳴き声」と思われてきました。「おけら」とも呼ばれます。
姿・形
- 姿
- 体長は約30mmで、全身が褐色です。金色の短い毛が密に生えています。前翅は短く、その下に長い後翅をたたんでいます。触角と脚は短めです。
- 声
- オスは初夏によく鳴きます。巣穴を共鳴室にして、遠くまで響く「ジー」「ビー」というくぐもった声を出します。
すむ場所
- よく見られる場所
- 草原
- 水田
- 畑
- 湿地
- 分布
- 日本のほか、中国・朝鮮半島・台湾・ロシア東部、インドや東南アジアまで、アジアに広く分布します。
- 好む環境
- 乾いた硬い地面より、水分の多い泥地や湿地に多くいます。土の中に縦穴と横穴を組み合わせた巣穴を掘ります。
暮らし
- 食べ物
- 雑食で、植物の根や種子、小さな昆虫、ミミズなどを食べます。共食いもします。
- 活動
- 土を掘る、水面を泳ぐ、空を飛ぶ、地上を歩くと、何でもこなします。夜には灯りに飛んできます。
繁殖と一生
- 巣
- 巣穴の奥に泥で繭のような部屋を作って卵を産み、親が卵と幼虫を守ります。
- 幼虫
- 幼虫は翅がないほかは成虫に似ていて、しばらく集団で過ごしてから散らばります。
保全状況
- IUCNレッドリスト
- NE未評価まだ評価されていません
- 脅威
- 農薬や湿地の開発、水田の減少で数が減っているとされます。一方で、作物や園芸植物、芝の根を食べる害虫としても扱われます。
文化と話題
- 文化と話題
- お金を持っていないことを「おけら」と言います。
- 「けらの水渡り」は、初めは熱心でも長続きしないことのたとえです。「おけらの七つ芸」は、何でもできるけれどどれも一流ではないことを表します。
- 江戸時代には、江戸城大奥で飼う小鳥の餌として、近くの村がケラを集めて納めていました。
- 童謡「手のひらを太陽に」の歌詞にも「オケラ」が登場します。
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