ヤブソテツは本州中部から九州の暖かい地域で、林の下や道ばたの石垣などに普通に見られる常緑のシダです。1枚の葉に細長いが10〜25対ほど並び、葉の先端にも大きな羽片が1枚つきます。海岸近くに多いオニヤブソテツに似ていますが、葉が薄く、強い光沢はありません。

姿・形

姿
根茎は短く太く斜めに立ち、葉が5〜8枚まとまって出ます。葉柄には褐色の鱗片がつきます。
育つ姿
冬も葉が枯れない常緑の多年草です。
葉
葉は長さ40〜80cmほどのです。羽片は先がとがり、葉の先の方へ鎌形に曲がります。

間違えやすい生き物

オニヤブソテツCyrtomium falcatum

オニヤブソテツは羽片が幅広く厚く、濃い緑色で強い光沢があります。ヤブソテツは羽片が細めで数が多く、光沢がありません。

間違えやすい理由日本で最も普通な同じ仲間で、葉の形が似ています。海岸近くや人家のまわりの石垣、道ばたに多く生えます。

メヤブソテツCyrtomium caryotideum

メヤブソテツは羽片が10対以下と少なくて幅広く、縁に細かく鋭い鋸歯があり、の縁にも細かい切れ込みがあります。

間違えやすい理由本州・四国・九州の山地に生える同じ仲間ですが、数は少ないです。

ミヤコヤブソテツCyrtomium yamamotoi

包膜の中心が濃い褐色で、縁が灰白色の2色になります。ヤブソテツの包膜は全体が灰白色です(葉の裏の接写が必要です)。主に石灰岩地に生えます。

間違えやすい理由ヤマヤブソテツに似た姿で、ヤブソテツの変種として扱われることもあります。

すむ場所

よく見られる場所
  • 林床
  • 路傍
  • 石垣
分布
本州中部以南、四国、九州に分布します。国外では朝鮮半島南部、中国からインドシナにかけて見られます。
好む環境
やや山地の林の下や、道ばたの石垣などに生えます。

繁殖と一生

増え方
花は咲かず、胞子で増えます。は羽片の裏全体に散らばり、円い楯形の包膜に覆われます。ヤブソテツの仲間にはが多く、を行うことが知られています。

名前と分類

名前について
山地に生え、羽片が15対ほどまでと少なく幅広で、基部が耳のように張り出すものはヤマヤブソテツ(var. clivicola)として変種に分けられます。羽片が15対以上あって基部が耳状にならない典型的なものが var. fortunei です。

保全状況

IUCNレッドリスト
NE未評価まだ評価されていません

文化と話題

文化と話題
  • 根茎は「貫衆(かんじゅう)」と呼ばれ、虫下しの薬に使われてきました。

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ヤブソテツ(Cyrtomium fortunei)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo