キク属は、野山に生えるイワギク類や秋の観賞用のキクを含む植物のグループです。一輪に見える花は小さな花が多数集まったもので、栽培のキクには品種改良によってさまざまな色や形が生まれました。

このグループの生き物

イワギク(広義)Chrysanthemum zawadskii

広い意味ではユーラシアの岩場や山地に生える変異の大きなまとまりです。日本の資料では亜種や変種を細かく分けるため、産地と葉の形を併せて確認します。

キクChrysanthemum × morifolium

秋の鉢植えや切り花で最も身近な栽培雑種です。品種によって一重から大輪の八重まで姿が大きく変わります。

キクタニギクChrysanthemum lavandulifolium

黄色い小さなを多数つけるです。

シマカンギクChrysanthemum indicum

秋に黄色い頭花をつける東アジアの多年草です。栽培キクの成立にも関わった野生種として知られます。

姿・形

育つ姿
多くは多年草で、一部は株元が木のように硬くなります。
花
野生種では白・黄・淡い紅紫色などが見られます。栽培のキクには一重咲きから八重咲きまで多様な形があります。
花の時期
日本の野生種は夏から秋に咲くものが多いですが、種類によって時期が異なります。
実
花後には小さな乾いた果実ができます。キク属の果実にはタンポポのような長いがありません。
見分けるポイント
葉は一枚ずつ交互につき、縁にぎざぎざがあるか、手のひらや羽のような形に切れ込みます。一輪に見える部分は、外側のと中央のが集まった頭花です。

間違えやすい生き物

シュンギク属Glebionis

黄色い頭花と切れ込む葉が似ています。シュンギクは一年草で、葉が二~三回細かく裂け、現在はキク属ではなくシュンギク属です。

間違えやすい理由旧学名 Chrysanthemum coronarium が資料に残っています。

フランスギク属Leucanthemum

白い舌状花と黄色い中央部は野生のキク属に似ています。フランスギク属は根元の葉がへら形に近く、茎の葉が比較的単純ですが、キク属は葉が手のひら状・羽状に深く裂ける種類が多いです。

すむ場所

よく見られる場所
  • 日当たりのよい草地
  • 山地の岩場
  • 庭・鉢植え
分布
キク属の自生域は温帯ユーラシアからインドシナ北部です。日本では海岸・山地・岩場などに自生する種類があり、栽培のキクは全国の庭や鉢で見られます。
好む環境
自生種は種類ごとに岩場、崖、草地など異なる環境に生えます。栽培のキクは一般に日当たりと水はけのよい場所を好みますが、品種差があります。

育て方

増やし方
野生種は種子や地下の茎で増えます。栽培品種は特徴を保つため、株を分けたり、茎を切って根を出させたりして増やすことが多いです。

名前と分類

グループの名前
日常語の「キク」は栽培キクを指すことが多いです。

保全状況

保全状況
環境省の第5次レッドリストでは、キクタニギクの一部(Chrysanthemum seticuspe f. boreale)が準絶滅危惧です。野生のキク属の一部では、園芸目的の採取が脅威になっています。
キク属(Chrysanthemum)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo