クサガメは、敵に襲われると嫌なにおいを出すことから名づけられたカメです。日本の池や川でよく見かけますが、江戸時代以降に朝鮮半島から人の手で持ち込まれたカメだと考えられています。子ガメは「ゼニガメ」の名でペットとしても売られています。

姿・形

姿
甲長はメスで最大30cmほど、オスは20cmほどまでで、メスのほうが大きくなります。背中の甲羅には縦に3本の隆起()があり、頭の横から首にかけて黄緑色の模様があります。若い個体は甲羅の継ぎ目が黄色く、「キンセンガメ」の別名の由来になっています。
季節による姿
成熟したオスは全身が黒くなり、模様が消えることがあります。

間違えやすい生き物

ニホンイシガメMauremys japonica

イシガメは頭や首に黄緑色の模様がなく、甲羅の後ろの縁がのこぎりの歯のようにギザギザしています(年をとるとすり減ります)。クサガメは背中に3本の隆起があり、頭から首に黄緑色の模様があります。

間違えやすい理由同じ水辺にすみ、子ガメはどちらも「ゼニガメ」と呼ばれることがあります。クサガメとし、日本固有のイシガメの独自性が失われることが保全上の大きな課題になっています。

ミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans

アカミミガメは目の後ろに赤い帯があります(年をとると薄れることがあります)。クサガメにはこの赤い帯がありません。

間違えやすい理由池や川で一緒に甲羅干しをしていることが多いカメです。

すむ場所

よく見られる場所
  • 池・沼
  • 流れのゆるい川
分布
本州・四国・九州を中心に、北海道南西部や沖縄、多くの島々にもすんでいます。国外では朝鮮半島と中国にもともと分布し、台湾にも持ち込まれています。
好む環境
流れのゆるやかな川や池沼とその周りにすみ、岩や倒木の上でよく日光浴をします。
時期

日本の場合

繁殖 5〜8月

暮らし

食べ物
雑食性で、主に水中で餌をとります。大きな個体は貝や大型の甲殻類もかみ砕いて食べます。
活動
冬は冬眠します。秋にふ化した子ガメの多くは地中で冬を越し、翌春に地表に出てきます。

繁殖と一生

繁殖期
初夏から夏(5~8月ごろ)に産卵します。
巣
水辺から離れた地面に穴を掘って卵を産み、1シーズンに1~3回産卵します。
卵の数
1回に1~14個ほど
抱卵
約2か月でふ化します。

名前と分類

名前について
国内の個体群は、化石の記録がなく江戸時代中期より前の確かな記録もないこと、遺伝子が韓国の個体群とほぼ同じことから、朝鮮半島から持ち込まれたと考えられています。以前はChinemys reevesiiという学名でも呼ばれていました。頭が大きくなる個体を別種(オオアタマクサガメ)とする説もありましたが、遺伝的な違いはなく、個体の変異とされています。

保全状況

IUCNレッドリスト
EN絶滅危惧野生での絶滅の危険がとても高いです
現状
在来のニホンイシガメと交雑し、雑種にも繁殖力があるため、イシガメの種としての独自性が失われることが心配されています。商用に輸入された中国産の個体が放され、国内の個体群と混ざることも問題になっています。

文化と話題

文化と話題
  • 博物学者の南方熊楠は、たくさんのカメを飼っていたことで知られ、その中にはクサガメもいました。
  • 飼われている個体は、においをほとんど出さないことが多いとされています。
  • 旧和名は「ヤマガメ」で、1934年の論文をきっかけに「クサガメ」の名が使われるようになりました。

ほかの生き物も見てみる

出会った生き物を記録して、集めていこう

写真を残すと日付や場所と一緒に整理され、地域のアルバムを一種ずつ埋めていけます。

クサガメ(Mauremys reevesii)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo