クサノオウはケシ科の多年草で、茎や葉を傷つけると黄色〜橙色の乳液が出て、黄色い4弁花を咲かせます。草全体に毒があります。ヨーロッパと西アジア・シベリアに自生し、北アメリカにも入りこんで広がっていますが、日本の野山に生えるクサノオウは、東アジアの近い仲間(Chelidonium asiaticum)として区別されることが多いです。
姿・形
- 姿
- 高さ30〜120cmの多年草です。葉は青みがかった緑色で、羽状に深く裂けます。
- 花
- 黄色い花びら4枚と萼片2枚からなり、中央に黄色い雄しべがたくさんあります。
- 実
- 細長いさや状の実をつけます。
間違えやすい生き物
クサノオウ(東アジア)Chelidonium asiaticum
写真での区別は難しいです。確実には染色体数(ヨーロッパ側12本、東アジア側10本)で分けます。日本の野山で見られるのはふつうこちらとされます。
間違えやすい理由かつては同じ種とされ、名前も同じです。
すむ場所
- よく見られる場所
- 道端
- 林のふち
- 荒れ地
- 岩の多い斜面
- 分布
- ヨーロッパの大部分と北アフリカの一部、カフカスやイランからシベリア・モンゴルにかけて自生します。北アメリカにも入りこんで広がっています。
繁殖と一生
- 種の広がり方
- 黒い小さな種子にがついていて、アリがこれを目当てに巣へ運び、種子が散らばります。
注意すること
- 注意すること
- 全草に有毒な成分を含み、誤って食べると危険です。乳液は皮膚を荒らすことがあり、この草を含む製品で肝臓の障害が起きた例も報告されています。
名前と分類
- 名前について
- 以前はヨーロッパと東アジアのものを一つの種 Chelidonium majus とみなしていました。染色体数の違い(ヨーロッパ側12本、東アジア側10本)が知られるようになり、東アジア側を別種 C. asiaticum とする考えが出ました。日本の資料ではクサノオウを C. majus の亜種(subsp. asiaticum)や変種として扱うこともあり、体系によって扱いが分かれます。ヨーロッパ・西アジアの基本亜種は「ヨウシュクサノオウ」と呼ばれます。
文化と話題
- 文化と話題
- 和名クサノオウの由来には、傷から出る黄色い汁にちなむ「草の黄」、皮膚病の薬草という意味の「瘡の王」、内臓の病にも使われたことからの「草の王」という説があります。
- 属名 Chelidonium はギリシャ語の「ツバメ」に由来し、ツバメが来るころに咲き、去るころに枯れるという古い言い伝えによります。
- ヨーロッパでは昔から、乳液をいぼ取りの民間療法に使ってきました。
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