ヤハズエンドウは「カラスノエンドウ」の名で親しまれている、春の野原や道ばたでごく普通に見られるマメ科のつる草です。さやを笛にして遊んだことから、「ピーピーグサ」とも呼ばれます。

姿・形

育つ姿
秋に芽を出して冬を越す、つる性の一年草()です。茎は四角く、高さ60〜150cmになります。
葉
6〜16枚の小葉からなる羽状複葉で、先端は巻きひげになってほかの草に絡みつきます。に濃い赤色のがあります。
花
長さ1.2〜1.6cmの赤紫色の花が、葉のわきに1〜2個ずつ咲きます。
花の時期
日本では3〜6月に咲きます。
実
長さ3〜5cmのさやが熟すと黒くなり、はじけて種を飛ばします。

間違えやすい生き物

スズメノエンドウVicia hirsuta

スズメノエンドウは数mmほどの白っぽい小さな花が、長い柄の先にまとまって咲きます。さやも小さく毛があり、種はふつう2個です。

間違えやすい理由同じ時期に同じ場所でつるを伸ばして生えています。

カスマグサVicia tetrasperma

カスマグサは長さ4mmほどの淡い青色の花が1〜2個ずつつき、さやの種は4個です。ヤハズエンドウは花が大きく、托葉に蜜腺の濃い点があるのが目印です。

間違えやすい理由同じような場所に混じって生える、よく似たつる性のソラマメ属の仲間です。

ビロードクサフジVicia villosa

ビロードクサフジは片側に10〜40個もの花が並ぶ長い花の房をつけ、全体に毛が多いです。ヤハズエンドウの花は1〜2個ずつです。

カラスノエンドウ・スズメノエンドウ・カスマグサの見分け方
花花のつき方さや
ヤハズエンドウ1.2〜1.6cm、赤紫色葉のわきに1〜2個3〜5cm、黒く熟す
スズメノエンドウ数mm、白っぽい長い柄の先に数個毛があり、種はふつう2個
カスマグサ4mmほど、淡い青色柄に1〜2個種は4個

すむ場所

よく見られる場所
  • 野原
  • 道ばた
  • 土手
  • 畑のまわり
分布
本州・四国・九州から沖縄まで、各地にごく普通に生えています。
花の時期

3〜6月に咲きます

花 3〜6月

名前と分類

名前について
標準和名はヤハズエンドウですが、一般にはカラスノエンドウの名で通っています。日本で普通に見られるのは葉の細い亜種(V. sativa subsp. nigra)で、ヨーロッパや北米で牧草にされる大型の亜種オオヤハズエンドウ(subsp. sativa)も、近年日本で帰化が見つかっています。

保全状況

IUCNレッドリスト
LC低懸念絶滅のおそれは低いです

文化と話題

文化と話題
  • 原産は中近東から地中海地方で、古代の麦作の始まりのころには作物として栽培された証拠があります。日本で野に生えるものは今は雑草として扱われますが、世界では牧草や緑肥として栽培が続いています。

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ヤハズエンドウ(Vicia sativa)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo