タガメは体長4.8~6.5cmほどになる、日本最大級の水生昆虫です。かつては田んぼでよく見られましたが今は各地で減り、環境省レッドリストで絶滅危惧II類とされ、2020年からは販売目的の捕獲や売買が禁止されています。卵はオスがふ化まで守ります。
姿・形
- 姿
- 体長48~65mmで、メスのほうが大きい傾向があります。体は平たく褐色で、大きな前脚で獲物を捕らえ、腹の先のを水面に出して息をします。
間違えやすい生き物
コオイムシAppasus japonicus
コオイムシはずっと小さく、オスが卵を背中に背負って運びます。タガメのオスは水上の植物に産みつけられた卵塊を守ります。
間違えやすい理由同じコオイムシ科で、どちらもオスが卵の世話をします。
すむ場所
- よく見られる場所
- 水田
- ため池
- 水草の多い用水路
- 分布
- 日本では全国に記録がありますが、現在見られる場所は限られています。国外では朝鮮半島、中国東部、ロシアのアムール地方、インドシナ、インドに分布します。
- 好む環境
- 水草が豊かで浅く、流れのほとんどない水辺を好みます。
- 時期
日本の場合
繁殖 5〜7月
暮らし
- 食べ物
- 待ち伏せ型の肉食で、カエルや魚、ほかの水生昆虫を捕らえます。消化液で獲物の体を溶かして吸い取ります。
- 活動
- 夜行性で、夜に飛んで移動します。強い光に引き寄せられやすい性質があります。
- 冬越し
- 成虫で冬を越します。
繁殖と一生
- 繁殖期
- 5~7月
- 増え方
- メスが水面から出た植物などに80~100個ほどの卵塊を産み、オスが卵に水を与えて乾燥から守ります。メスがほかのオスの守る卵塊を壊すことがあり、オスはこれを追い払おうとします。
- 幼虫
- 幼虫は5回脱皮して成虫になり、水温が高く餌が十分ならふ化から1か月ほどで羽化します。2齢以降は幼虫どうしの共食いがよく起こります。
名前と分類
- 名前について
- 以前は Lethocerus deyrollei と呼ばれ、最近の分類ではこの種だけを含む Kirkaldyia 属に置かれることが多くなっています。
保全状況
- IUCNレッドリスト
- NE未評価まだ評価されていません
- 現状
- 環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)です。2020年に種の保存法のに指定され、販売や頒布を目的とした捕獲・譲渡が禁止されました。
- 脅威
- 農薬、田んぼの乾田化やコンクリート水路化、外来種、街灯への誘引、採集などで減りました。
文化と話題
- 文化と話題
- 名前は「田にいる亀」、または「田にいるカメムシ」に由来するといわれます。江戸時代には、胸の形が高野聖の笠に似ていることから「高野聖」とも呼ばれ、この名は夏のにもなっています。
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