マツカサウオは、厚く硬いうろこが松かさのように並んだ、よろいを着たような小さな海の魚です。下あごにがあり、中にすむの力でほのかに光ります。この光は1914年、富山県の魚津水族館で停電の夜に偶然見つかったといわれています。ヨロイウオとも呼ばれます。

姿・形

姿
体長はふつう12〜15cm、最大で17cmほどです。体は淡い黄色で、大きなうろこのふちが黒く縁どられます。幼魚は黒っぽく、成長すると黄色くなります。

間違えやすい生き物

Monocentris chrysadamas

見た目はほとんど同じで、写真での区別は難しいです。側線の下のうろこの列の枚数や、耳石の形など、標本を調べて見分けます。

間違えやすい理由2022年に新種として記載された同じ属の魚で、日本・台湾・朝鮮半島などからも記録されています。それまではマツカサウオと区別されていなかった可能性があります。

すむ場所

よく見られる場所
  • 岩礁
  • 岩陰・洞穴
分布
日本では日本海側は北海道の積丹半島以南、太平洋側は青森県以南の各地の沿岸、瀬戸内海、琉球列島に分布します。海外では朝鮮半島、台湾、中国からインド洋まで広く見られます。
好む環境
沿岸の浅いところから水深100mほどまでの岩礁にすみます。

暮らし

食べ物
おもにエビなどのを食べます。
活動
夜行性です。昼は岩の割れ目に隠れ、夜になると群れで泳ぎ出してエビなどを探します。泳ぎはゆっくりです。
群れの暮らし
危険を感じると背びれと腹びれの太いとげを立てて固定し、身を守ります。腹びれのとげの根元をこすり合わせたり、うきぶくろを使ったりして音を出すといわれ、ひれを動かすときの音から、パタパタウオと呼ぶ地方もあります。
感覚
下あごに一対の発光器があり、共生する発光バクテリアが光ります。光の役割ははっきりせず、仲間との合図やえさをおびき寄せるためという説があります。

名前と分類

名前について
2022年に、姿がほとんど同じ Monocentris chrysadamas が別種として分けられました。それ以前の記録には、2種が混ざっている可能性があります。

保全状況

IUCNレッドリスト
LC低懸念絶滅のおそれは低いです

文化と話題

文化と話題
  • 和名は、うろこが松かさ(松ぼっくり)のように見えることに由来します。地方名にはエビスウオ(三重)、グソク(和歌山・高知)などがあります。
  • めったに獲れませんが食べることができ、味はよいとされます。練り製品の原料に使われることもあります。
  • 淡路島や島根県などでは、内臓を取って干したものを魔よけとして軒先につるす風習があります。

ほかの生き物も見てみる

出会った生き物を記録して、集めていこう

写真を残すと日付や場所と一緒に整理され、地域のアルバムを一種ずつ埋めていけます。

マツカサウオ(Monocentris japonica)— 見分け方・生息地・似た種 | Moeyo